【形式】1920px × 1080px (HD H264 MP4) / デジタルアニメーション(ループ) / 10fps
【制作画像枚数】3,931枚(コマ数ではなく、「背景」「ノイズ」「人物」などパーツごとに制作)
【使用ソフト】作画:Adobe Photoshop 2022、編集:Adobe Premiere Pro 2022、音源制作:Garageband
制作の意図や各シーンの解説を加えた動画です。
京都市京セラ美術館での展示の際に口頭で発表したものとほぼ同内容の解説を副音声でお聞きいただけます。
文化人類学者マルセル・モースの著書『贈与論』を中心に、贈与について扱った文献を読みました。また、大阪の国立民族学博物館に足を運び、実際にクラ交易で使われた儀礼品のスケッチ等を行いました。
重要な場面を付箋に一枚ずつ描き、順番を入れ替えたり足し引きを行ったりしながら、全体の構成を検討しました。
作品の構成を決めた後に、全体のトーンやテイストを決めるためのコンセプトアートを制作しました。
リサーチの結果、色の象徴するものが文化圏によって異なることがわかったため、
モノトーンの絵作りをすることにしました。
作画作業は12月下旬から2月初旬にかけて、一日約10時間、合計約260時間ほどで行いました。
ペンタブを用いてAdobe Photoshop上で人物やオブジェクトを描き、Premiere Proで10コマ/秒のアニメとして画像を並べたあと、インクやフィルム風のノイズを60種類ほど制作して、全体に手描きの質感が出るよう調整しました。
作画がほぼ終わったところで音をつける作業に入り、5日間ほどかけ、作画と並行でGaragebandによる録音・編集を行いました。
使用した楽器はシンセサイザー(Micro KORG)、エレキギター、アップライトピアノ、でんでん太鼓、リュールシロフォン(円形木琴)などで、そのほか自分の声やiPhoneで録った街中の音をアニメに採用しています。
当初はヘッドフォンでの展示を想定していましたが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みてスピーカーからの出力に急遽変更し、音のバランスを調整して完成しました。
アニメーション作品「贈与について」の解説は以上です。
本学の公式YouTubeチャンネルにてギャラリートークに参加していますので、そちらもぜひご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。